先日紹介した、SEL55F18Zは素晴らしく、メインレンズになっている。
しかし、やはり55mmだけだと、画角が狭く風景などを撮るとなると、30mmくらいの広角単焦点が欲しくなってくる。
そこで、調べてみると、同じカールツァイスレンズで広角の “Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA” というレンズがある。
これを使えば間違いは無いが、何と言ってもその値段が問題だ。
希望小売価格で¥90,000、実売価格でも¥65,000する。
買えなくは無いが、SEL55F18Zを買ったことを考えると、今度のためにもなるべくなら値段は抑えたい。
その時ふと思ったのが、フルサイズ対応だから高いのであって、APS-Cのレンズを使ってみたらどうだろうかと。
APS-Cであれば、豊富な種類かつ安くて評価も高い、レンズがたくさんある。
そこで、撒き餌レンズで有名なSIGMA Art 19mmを購入してみた。
レビュー
デザイン
レンズ構成枚数 6群8枚 画角 59.3° (ソニーEマウント73.5°) 絞り羽根枚数 7枚 (円形絞り) 最小絞り F22 最短撮影距離 20cm 最大撮影倍率 1:7.4 フィルターサイズ φ46㎜ 最大径 × 長さ φ60.8㎜ × 45.7㎜ 質量 160g
¥15,000と安いながらも、シンプルかつレンズ全体が金属仕上げで全く不満は感じない
しかし、PLフィルターをつけてしまうと、レンズフィルターが厚いこともあって、大きく出っ張ってしまう。
幸いこれによって、ぶつけてしまったことなどはないが、見栄え的に良くないので、薄型フィルターを使うなどの工夫は必要かも知れない。
レンズフードはプラスチックで少々安っぽさを感じる。
だが、高級な金属製のフードの方が少なく、これが標準的なものであるので不満というまでではない。
レンズフードをつけた状態ではこのようになる。
フードからフィルターまでの距離が短く、雨などを防げるかは微妙なところになってしまう。
しかし、逆にフードを外してしまえば、パンケーキレンズまでとはいかなくとも、なかなか小型レンズの部類に入り、カメラ重量を合わせても非常に軽いので晴れの日のお散歩カメラとしては最高だろう。
APS-Cモードでの撮影
α7などのフルサイズ機で使う場合、主にAPS-Cモードでの撮影になる。
これによって、四隅にケラレを発生させることなく撮影できるが、画素数が半分程度の約1000万画素程度になってしまう。
これについては、購入まで心配していたが、実際に使ってみると、メタデータをみなければわからない程度で、画質の劣化は特に感じない。
画素数=画質では無いというのは、本当らしい。
APS-Cモード無しで撮影した場合このようになる。
編集でトリミングをして、ケラレを削除するという方法もあるが、個人的には双方を比較しても、特に変化も感じないので、APS-Cモードを使って、クロップするのが一番楽だと思う。
実写
Eマウント35mm換算で、28.5mm相当の画角になる

α7 ISO100 F11 1/125
自然光の入る、晴天下では広角を活かした綺麗な写真が撮れる。
このレベルの写真が撮れるのであれば、コスパ的には十分だと思う。

α7 ISO100 F7 1/100
接写も最短撮影距離20cmからなので、テーブルの上の食べ物も撮れる。

α7 ISO3200 2.8 1/60
広角単焦点ということで、あまりポートレート向きでは無く、ボケなどを使ってのきれない写真は期待できないが、写す分には問題ないだろう。

α7 ISO2500 F2.8 1/160
問題なのが暗所での撮影だった。
一見綺麗に見えるが、よくみると細部のディティールの荒さが目立つ。
奥の光が弱いところに関しては、ノイズが発生していた。
機材の問題や使い方もあるとは思うが、気軽に暗所での撮影とはならないだろう。

α7 ISO250 F4.5 30S
星空の撮影などもしてみたいので、長時間露光をしてみて、30秒開放で撮影してみたところ、十分に綺麗な写真を撮ることができた。
拡大してみると、細い電線もノイズも少なく撮影できていた。
本格的なプロの撮影には向かないが、アマチュアレベルであれば十分に対応できるだろう。
まとめ
値段を考えれば、十分に満足できるレンズだった。
しかし、暗所で撮りたい写真もたまにあるので、そこに関しては後々解決の必要が出てくるだろう。
「これが良いカールツァイスレンズとかであれば、ディティールを失うことなく、写真が撮れるのだろうか」とか、「フルサイズなんだからフルサイズ対応のレンズで撮らないと」とか考えてしまい、そのうちにもっと良いレンズを買ってしまう気がする。
しかし、当分はこのレンズとSEL55F18Zを使って写真を撮って行くことになるだろう。
後でアップグレードするとして、とりあえずのフルサイズ広角単焦点としては、十分に活躍できるのではないだろうか。